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特定非営利活動法人ぱれっとを取材しました!

特定非営利活動法人ぱれっとを取材しました!

ぱれっととは
パレットは絵を描く道具です。パレットの上でさまざまな色が出会い新しい色を生み出しています。私たちは色を人に置き換えて、いろいろな人たち(障がいの有無・性別・人種に関係なく)が出会い交流することで新しい可能性を生み出していきたいと願っています。
特定非営利活動法人ぱれっとは、就労・暮らし・余暇などの生活場面において障がいのある人たちが直面する問題の解決を通して、すべての人々が 当たり前に暮らせる社会の実現に寄与することを目指し活動しています。(詳しくはこちら
今回は、ぱれっとの事務局を訪ね、事務局長の南山達郎さんにお話をうかがいました。

就労・暮らし・余暇、三本柱で事業を展開
■就労
就労支援では、「おかし屋ぱれっと」と「工房ぱれっと」に分かれて運営を行っています。
障害者総合支援法に基づく「就労継続支援B型」事業として、おかし屋ぱれっとでは素朴な味わいのクッキー、パウンドケーキ、グリッシーニなどの製造販売と地域の方々に向けたカフェを運営しています。
工房ぱれっとではメンバーの個性やアイディアを活かしながら、オリジナルキャラクターの「らぶらび」を始め、アートワークにも力を入れ、障がいのある人たちが描いたイラストなどをバラエティ豊かな製品にアレンジして製造販売をしています。また、渋谷区内の事業所や専門学校、行政などで協働で展開するシブヤフォントプロジェクトにも参加しており、会社のロゴやイベント時の垂れ幕のデザインの作成なども行っています。
作業の様子①(ぱれっと).JPG

■暮らし
生活支援では、「えびす・ぱれっとホーム」と「しぶや・ぱれっとホーム」、「ぱれっとの家 いこっと」にて支援を行っています。
えびす・ぱれっとホームは障害者総合支援法に基づく共同生活援助事業(グループホーム)及び渋谷区との独自受託契約による緊急一時保護事業を行なっています。暮らしの場は安らぎの場であることを基本理念に、共同生活での様々な経験を通し、地域の中での当たり前の暮らしを目指しています。
いこっとは福祉制度の枠にとらわれず、障がいのある人もない人も安心して暮らせる家です。いきなり一人暮らしを始めるのは難しい、軽度の知的障がいの方々でも入居者同士でコミュニケーションをとり、サポートしあうことで自立した生活を目指しています。

■余暇
余暇活動支援はたまり場ぱれっとにて、余暇活動を行っています。
『たまり場ぱれっと』は、障がいのある人もない人も誰もが自由に集い余暇を楽しむ場です。面白い企画が盛りだくさんの開放日(毎月1回)は、集まった仲間と自由に時間を過ごしたり仲間作りをする場です。開放日以外にも様々な種類のクラブ活動があり(ヒップホップダンス、劇団など)、参加したい人達が中心になって活動を盛り立てています。
余暇活動では、様々なイベントを企画していて、その一つに「大学行こうキャンペーン」を開催しています。明治学院大学や青山学院大学などの大学キャンパスに足を運び、ボランティアの大学生にキャンパス内の案内をしてもらう、というイベントです。教会やモニュメントを見学したり、大学内にある模擬裁判所で実際に模擬裁判を体験したりと、障がいのあるなしに関わらず、イベントに参加したみんなが楽しめるような内容です。

ボランティアの本当の意味
いわゆる世間一般のボランティアといえば、社会事業活動に「無報酬で」参加する人、というイメージが付いていると思います。しかし、本来ボランティアとは「自発的にある活動に参加する人」という意味であり、無報酬というのは二次的なものにすぎません。
ボランティアに参加される方の多くが、何か役に立ちたいという意欲で来てくださるのですが、私たちはそういった方々に「一緒に楽しんでください」と常々伝えています。活動内容を決める、月2回のオンライン会議もボランティアの方と障がいのある方が主役になり、一緒になってお互いが楽しめるような活動になるように働きかけを行っています。ボランティアに参加して行事が終われば終了、という関係ではなく、自身の居場所やコミュニティの一つとして、ぱれっとを活用してほしいなと思っています。
活動の様子②(ぱれっと).jpg

コロナ禍による変化
一番の大きな変化は宿泊行事が一切できなくなったことですね。コロナ前は8~9月のプチバカンスや2月のえびす雪あそび合宿などを行っていたのですが、コロナ禍になってからはできていません。
また、一度も宿泊行事を体験していないボランティアスタッフは今までのノウハウを活かすことが難しいので、再開に向けては少し不安もありますね。
まずは、泊まり無しの日帰り行事を増やしていって、ある程度行事に慣れ、コロナ禍が落ち着いてきたタイミングで宿泊行事を検討していったほうが良いのでは、という声もあります。
コロナ禍では悪いことばかりではなくて、良いこともありました。例えば、ボランティアを希望する方が増えていることです。学生で留学を考えていてもコロナ禍のため留学ができないため、国内で何かボランティアとしてできることはないかという考えになり、参加してくださる方が一時期増えました。現在は、コロナも落ち着きつつあるので、そういった方は減りましたが、参加しようと思ってくれる方が増えているのはありがたいことでしたね。

障がいのあるなしとは
私は、障がいのある人とない人の違いは「出身地がどこか」というような違いだと思っています。例えば、大阪府出身の人だと、東京都出身の人と話し方が少し違うけど、それ以外はほとんど変わらないよねという話です。賛否あるとは思いますが、私はそれぐらい、些細な違いだと思っています。
障がいのある人とない人は同じ人間なので、障がいのある人がみんな大人しく聞き分けが良いかというとそういうわけでもなくて、環境によってはわがままになりますし、また逆にきちんとした教育を受けている人は障がいのある人でも立派に育ちます。教育や環境によって性格が変わるというのは、障がいがあろうと無かろうと同じということですね。
現在、障がい者の福祉向上が求められていますが、それは「福祉向上=行政にかけ合う」という構図になっているんですよね。それも大切なことですが、最も大切なことは「助け合いの精神を忘れない」ことだと思っています。
現在では、昔のインフォーマルな地域社会とのつながりが消え、都会では隣に誰が住んでいるのかも分からない状態になっています。私たちは福祉サービスという行政から地域社会への縦の鎖で縛られているように感じます。
縦の関係ではなく、地域社会を含めた横のつながりを一つずつ作っていき、障がいのあるなしに関わらず、すべての人が楽しく生きやすい社会になるように日々精進していきたいと思っています。

シブカツについて

「何かを始めたいとは思っているけど、何をすればいいかわからない・・・。」、「共通の趣味を持っている仲間を探したい。」、「地域の活動に参加したい。」などのお問い合わせに対し、専用の相談窓口を開設して、皆様の生きがいづくりをサポートします。
他にも、各種講座・イベントの開催などを行います。皆様の「やりたいこと」が見つかる場所です。

交通アクセス

〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2丁目21-1 渋谷ヒカリエ 8階
開館時間:平日 11:00~19:00、土曜日 9:00~17:00
※日曜日・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)を除きます。

よくあるご質問

シブカツご利用にあたって、よくあるご質問を掲載いたしました。