NPO団体
あさのはネットワーク(ワークささはた)とは
ワークささはたは、「~支援者は利用者一人ひとりの人権を尊重し、敬い、よりよき伴走者になることを目指して~」を掲げ、障害のある方の社会参加、自己実現、一人ひとりの特性に沿った自立のための支援を行っています。(詳しくはこちら)
今回は事務所を訪ね、施設長の菱木基之さんにお話をうかがいました。
団体設立のきっかけは
団体設立の先駆けとなったのは、昭和 56年に渋谷区手をつなぐ親の会により「渋谷けやき福祉作業所」開所が始まりです。その後、昭和 63年に同じく、渋谷区手をつなぐ親の会により「渋谷ほんまち作業所」開所し、2つの作業所を両立する形で活動を行っていました。
平成 21年の4月にNPO法人としての運営を許可され、特定非営利活動法人あさのはネットワークのもと、「渋谷けやき福祉作業所」と「渋谷ほんまち作業所」が合併し、「ワークささはた」として、障害者自立支援法内事業(現在は障害者総合支援法)である、就労継続支援 B型事業と就労移行支援事業を行う多機能型事業所として開所しました。
活動形態として
ワークささはたでは、以下の3つをミッションとし、実現に向けて具体的な取り組みを行っています。
①利用者個々人の生活全体の中で「働く」ことを捉え、一人ひとりのニーズや希望に沿った「働く場」を提供する。
②利用者が地域で生活するための経済的保障を追求する。目標としては、障害基礎年金+福祉手当+作業所工賃=地域生活が可能な収入
③利用者が望む、その人らしい暮らしが実現するための生活支援を行う。
活動の形態としては、「就労継続支援B型事業」と「就労移行支援事業」の2形態に分類されます。
就労継続支援B型事業とは、誰もが社会に必要とされる活動に携われるよう、一人一人に合わせた支援を行います。個性や能力が十分に発揮出来る仕事や活動を毎月提供し、規定に沿って工賃を支給します。
就労移行支援事業とは、生産活動や企業見学/実習を通じて、就労に必要な作業能力や社会性を身につけるための訓練を行い、個々人に合った就職が出来るよう支援します。
また、「地域で暮らす」ための自立への支援として、初台寮があります。こちらの定員は4名で食事の提供など日常生活支援を行っています。
主な作業内容とその他の活動
主な作業の内容としては、受注作業・自主生産・清掃作業などに分かれています。
受注作業は企業からの依頼を受け、チラシの封入や宛名シール貼りなどを行っています。自主生産は手織りやものづくりなどを行っています。現在では、トランプカードの作成に力を入れており、月の第二土曜日に笹塚駅前広場で展示や販売などを行っています。清掃作業は業者より依頼を受け、植栽や公園の清掃などを行っています。
また、上記のような生産活動だけではなく、一年間を通して楽しいイベントやクラブ活動を実施しています。鑑賞会や都内の話題スポットへの社会見学は、利用者自らプランを組むなど、毎年特に楽しみにしています。コロナ禍によって、イベントやクラブ活動は縮小傾向にありますが、状況を見つつ、徐々に活動を増やしていきたいと思っています。
コロナ禍の影響と今後について
コロナ禍の影響として、一番に挙げられるのはやはり行事が全く無くなってしまったことですね。コロナ前までは、6月のささはた祭りや11月の渋谷区フェスティバルと宿泊訓練、新年会やマラソン大会など様々な行事を実施していたのですが、すべてできなくなってしまいました。就労支援として、生産活動を行うことはもちろん重要なのですが、利用者がいきいきと活動できるように行事は欠かせないものだと考えています。
10月にはみんなで出かけてバスの中でレクリエーションを行うことも検討していますので、今後も積極的に行事などを企画したいと思っています。
ワークささはたの今後の運用について、明確な課題があるわけではないのですが、改善するべき点として、支援の見直しは継続的に行っていきたいと考えています。利用者の方々が働くことや仲間たちとの交流の中で、喜びや誇りを見つけ、自分で選んだ"ゆたかな"暮らしを送るために今後もより良い支援を模索し続けていく予定です。
「何かを始めたいとは思っているけど、何をすればいいかわからない・・・。」、「共通の趣味を持っている仲間を探したい。」、「地域の活動に参加したい。」などのお問い合わせに対し、専用の相談窓口を開設して、皆様の生きがいづくりをサポートします。
他にも、各種講座・イベントの開催などを行います。皆様の「やりたいこと」が見つかる場所です。