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NPO法人洋服ポストネットワーク協議会を取材しました

NPO法人洋服ポストネットワーク協議会を取材しました

 シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回はNPO法人洋服ポストネットワーク協議会が運営する「洋服ポスト」を取材するため、受付窓口が開かれている赤坂アークヒルズを訪ねました。

「洋服ポスト」は、「みんなの洋服がつくるちょっといい未来」をコンセプトに掲げた活動です。

 沼上事務局長からNPOをを立ち上げた経緯や活動内容、エピソードなど興味深いお話をお聞きすることができました。

〇NPOを立ち上げた経緯について
 神宮前などに店舗のある古着会社・原宿シカゴの物流部長さんとの出会いがきっかけでした。原宿シカゴでは、輸入したものの自店舗で販売できなかった古着や全国の自治体などから集めた衣類を、海外に輸出することで洋服がリユースされるようにしていると教えてもらったのです。
 古着流通の流れに乗せてもらうことで、家に眠っていたりごみとして焼却処分されたりしている洋服がリユースされるだけでなく、洋服の販売で生まれた利益を社会貢献のために役立てられると考え、当時運営に携わっていた港区の環境学習施設のイベントとして洋服ポストを企画しました。
 最初に洋服ポストのイベントを実施したのは、2011年6月で、以降は毎月の定例イベントになりました(※この施設での洋服ポストは現在実施していません)。 そして、アークヒルズのヒルズマルシェでも洋服ポストができないかという相談をいただいたことから、2011年12月にもう一つの拠点として洋服ポストアークヒルズをスタート。それ以降、徐々に活動に賛同される方が増えてきたので2013年に組織化を図るためにNPOを設立しました。

〇活動内容について
 洋服ポストは、衣類のリユースと社会貢献活動への寄付がセットになった「眠っている洋服で世の中をちょっとよくする仕組み」です。集まった衣類は海外の古着マーケットで販売することでリユースされます。また、集まった衣類の重量に応じて売却益の一部を環境保全や社会貢献活動など、世の中をよくしようと活動する団体に支援金として寄付しています。
 新型コロナウイルスの影響で窓口数は縮小していますが、現在、会員は10名強で、定期・不定期をあわせると10会場で洋服ポストの窓口が開設されています。また、アパレルブランドや商業施設などとのコラボキャンペーンを実施したり、郵送で衣類を受け付けたりもしています。
 洋服ポストでは、窓口ごとに支援先を決めて公表しています。たとえばアークヒルズに衣類をお持ち込みいただくと、衣類1㎏について7円が"ハタチ基金"と"子ども第三の居場所"という子どものための活動に寄付されます。支援先の活動を応援するため、わざわざ遠くの窓口に持ち込まれる方もいます。たとえば、沖縄のサンゴ礁の保全活動を支援したいからと、清澄白河の"洋服ポストさんごほぜん"の窓口まで新宿区や練馬区から持ってきてくださる方もいらっしゃいました(※洋服ポストさんごほぜんは新型コロナウイルスの影響で現在休止中)。
 洋服ポストでは、毎月数トン~十数トンの衣類が集まります(最近の最高値は2021年11月の19.4トン)。集まった衣類は原宿シカゴが輸出する他の衣類と一緒にマレーシアの古着工場に送られ、種類・色・柄ごとに仕分けされインド、パキスタン、カンボジア、バングラデシュなど世界15か国以上の古着マーケットで販売され、現地でふたたび衣類として使われます。日本の衣類は品質・状態がよく、とても人気があるといいます。
 洋服の質については、多くの方が洋服ポストの趣旨を理解して状態のよいものをお持ちいただいています。汚れや破れなどがなく清潔であることはもちろん、きれいに折り畳んで袋詰めされていたり、受け渡しの際に「ありがとう」とひと言添えてくださったりする方も珍しくありません。洋服ポストは単なる不用品回収とは違い、眠っている衣類をまた別の誰かに使ってもらう活動であり、洋服を通じてみんなで社会をちょっとずつよくしていく活動だと認知してくださっているのだと感じています。
 
〇コロナ禍と洋服ポスト
 アークヒルズの洋服ポストは毎月第2土曜日にヒルズマルシェのなかで開催しています。新型コロナウイルスの影響で2020年3月から窓口開設を休止し、その年の11月にようやく窓口を再開しました。再開時は久しぶりの再開ということもあり"待っていたよ""再開したのね、来月持ってくるわ"と声をかけていただけてとてもうれしかったです。
 その後も新型コロナウイルスの感染状況により、休止と再開を繰り返すことになり、2021年10月からはひとまず毎月窓口を再開することができています。ただし、渋谷区の富ヶ谷や江東区の清澄白河など、まだ再開できていない窓口もありますし、再開している窓口も社会状況次第でいつまた休止するかもわからないのが現状です。
 取材している間も次々と衣類が持ち込まれ、ボランティアの方が衣類を受付されていました。性別・年齢・国籍を問わず幅広い方が衣類を寄付するという形で洋服ポストの活動に参加しているように感じました。広尾学園高等学校の生徒さんが個人的にボランティアとして参加したりもされているとのことです。

 最後に、事務局長から洋服ポストのPRをしていただきました。
 「みんなが参加することで世の中をちょっとよくしていきたいという気持ちをしっかり伝えることを意識しています。洋服ポストというネーミングも、ここに届けて終わりでなく、その先に衣類を受け取る先の人がいるという思いを込めています。眠っている洋服も、集まれば世の中をよくする力になります。気軽に参加できる活動なので、まずはマルシェに遊びにきがてら、ちょっと様子を見に来ていただけるとうれしいです。また、ボランティアスタッフをしてくださる方も大歓迎です。ウェブサイトのお問合せフォームからお気軽にご連絡ください。」

 NPO法人洋服ポストネットワーク協議会はシブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。

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