全て
シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回は千駄ヶ谷に事務所があるNPO法人ピープルデザイン研究所を訪ねました。
「ピープルデザイン研究所」は、性別、国籍、年齢、身体、障がいの有無等にかかわらず誰もが混ざりあう、シブヤ発のダイバーシティのまちづくり活動を展開しているNPO法人です。
NPOの立ち上げの経緯や活動内容など興味深いお話をお聞きすることができました。
〇団体の立ち上げの経緯について
「当法人の代表 須藤ケンジの次男が、脳性麻痺で生まれたことをきっかけに、2002年に『ソーシャルプロジェクト/Nextidevolution(ネクスタイド・エヴォリューション)』をスタートしました。
ファッションやイベントを通じて、障がいの有無にかかわらず誰もが混ざりあう社会を、次世代に向けてメッセージする活動を続けてきた中で、法人名にもなっている『ピープルデザイン』という概念を提唱し始めました。現在は、"心のバリアフリー"をクリエイティブに実現する思想や方法と定義しています。この『ピープルデザイン』という考え方を活用した、ダイバーシティのまちづくりに特化した法人をつくろうということで、2012年にコンサルタントやまちづくりを行っている会社の代表が集まり、NPO法人ピープルデザイン研究所を立ち上げました。渋谷の媒体力を使って、ダイバーシティをシブヤ発の新しいカルチャーとして発信しています。」
〇活動内容について
「障がい者・認知症を含む高齢者・外国人・LGBTQ・子育て中の父母という5つのマイノリティに立脚し、この方々が抱えている課題を、楽しく、かっこよく、ワクワクするようなコンテンツを活用したクリエイティブな解決策を提案しています。主には4つの領域で活動しています。まずは<ヒトづくり>。ピープルデザインをテーマに企業や官公庁の研修、小中高や大学の授業などを行っています。次が<コトづくり>で、様々なイベントを展開しています。渋谷では、『超福祉展』が一番大きいイベントとなります。あとは<モノづくり>も行っていて、ファション製品の開発や、福祉事業所と連携したものづくりを行っています。最後は、<シゴトづくり>で、障がいのある方、ホームレスの方や引きこもりの方々の仕事づくりを、渋谷区や神奈川県川崎市を中心に行っています。」
最後に代表的なイベントやプロジェクトを紹介していただきました。
「渋谷区と共催で『超福祉展』を開催しています。障がい者をはじめとするマイノリティや、福祉そのものに対する"心のバリア"を取り除こうと、2014年から毎年開催している展示会イベントです。2020年の渋谷の街中には、最先端のテクノロジーを搭載したモビリティやプロダクトが溢れ、ダイバーシティが当たり前の日常になることを目指し、展示・体験・シンポジウムなどを展開しています。デザインやテクノロジーを全面に押し出し、従来の福祉機器や装具等の<ダサい>イメージを<かっこいい>へ、<かくす>から<みせる>へと変え、障がい者が健常者よりも憧れられるような未来を目指しています。今年がラストイヤーとなり、9月に渋谷ヒカリエ他で開催予定です。
また、渋谷区の神宮前二丁目町会と連携して、商店街の道路を半日交通規制をして、子どもからお年寄りまで誰もが楽しめるイベント、『ピープルデザインストリート』を同じく2014年から毎年行っています。今ではたくさんの方々が訪れる、人気の商店街イベントとなっています。
その他は、障がいのある方の『就労体験プロジェクト』を実施しています。スポーツや映画・音楽などのエンターテイメントの晴れの舞台で、障がいのある方々に働いていただく取り組みです。渋谷区でも超福祉展やピープルデザインストリートで区内の福祉事業所の方々が活躍しています。神奈川県川崎市では2014年から大きく展開しており、サッカーのJリーグやバスケットのBリーグの試合、ロックフェスなどで毎年500人~800人の障がい者やひきこもり、ホームレスの方々が運営スタッフとして活躍しています。」
NPO法人ピープルデザイン研究所はシブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。
「何かを始めたいとは思っているけど、何をすればいいかわからない・・・。」、「共通の趣味を持っている仲間を探したい。」、「地域の活動に参加したい。」などのお問い合わせに対し、専用の相談窓口を開設して、皆様の生きがいづくりをサポートします。
他にも、各種講座・イベントの開催などを行います。皆様の「やりたいこと」が見つかる場所です。