NPO法人さくら育樹の会を取材しました

　シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回は桜丘で活動しているNPO法人渋谷さくら育樹の会を訪ねました。

　"さくらの木を育て、さくらの街をつくりたい"　「渋谷さくら育樹の会」は、花と緑を中心にとらえた自然と人にやさしい快適なまちづくりを目指しているNPO法人です。
　NPOの立ち上げの経緯や、活動内容、最新のトピックなど興味深いお話をお聞きすることができました。

〇団体の立ち上げの経緯について
　まず、NPOの立ち上げの経緯からお話しすると、桜丘では毎年、さくらまつりが開催されています。2005年、桜丘のまちづくり協議会設立準備の中、地域住民と町会、商店会が企業や学校と協力して、まちのシンボルであるさくら並木の保護、育成に役立つまちおこしイベントが企画されました。2006年４月には行政の協力も得て、地域全員参加型の「渋谷さくらフェスタ2006」を開催しました。2007年11月に"さくらからのまちづくり"を目指し、NPO法人渋谷さくら育樹の会を設立しました。

〇活動内容について
　団体の活動としては、「花と緑を軸としたまちづくり」として、植栽活動を年に７、８回行っています。季節に応じた花を植えたプランターをさくらの木の下に置き、まちに彩りを添えています。また年２回、行政と一緒にさくらの木を見回り、選定作業を行っています。
　今年は、コロナウイルス感染症の影響で活動が延期となっています。昨年は学生や企業のボランティアが100人くらい参加し、植栽活動にあわせて、クリーンキャンペンとして清掃と落書き消しを実施しました。
　さくら坂とさくら通りには、現在さくら並木がありますが、もともとは柳が植えられていました。平成７年頃に道玄坂のイベントで使用したさくらを引き取り植えたのが最初です。そこから少しずつ増やしていきました。
　今後、桜丘の再開発で道路が整備されるので、この機会に沿道にさくらを植え、周辺一帯と同じソメイヨシノに統一してもらえるよう再開発組合に申し出を行っています。実現すると同じ時期にさくらの花がいっせいに開花することになります。これから実現に向けて、行政にも町会、商店会、まちづくり協議会と連名で要望して、さくら並木を代官山までつなげていけたらと考えています。さくら坂のさくら並木と相まって、さくらまつりもすごく盛り上がると思います。
　また、渋谷区文化総合センター大和田にある「コスモプラネタリウム渋谷」とも連携し、"宇宙桜（そらざくら）"プロジェクトも行っています。"宇宙桜"（2008年若田光一宇宙飛行士と共に宇宙を旅した種から生じたさくら）を渋谷インフォスタワーに植えて3年目になります。再開発でできる公園に"宇宙桜"が一面に咲いている情景を思い描いています。

〇桜丘のまちなみについて
　駅前の渋谷スクランブルスクエア47階の屋上展望台から桜丘を見渡すと、さくら坂に緑の絨毯が広がって見えます。再開発でできる新しい道路にさくら並木が形成されると、緑の絨毯が代官山につながっていきます。照明を下からあてると雲海のように見えて、とてもきれいで幻想的なので、再開発の中でうまく整備していただけると魅力的なまちなみとなり、人気のスポットになると思います。
　渋谷駅の再開発によって、新たにJRの改札ができると聞いていますので、桜丘と渋谷三丁目方面とのアクセスが良くなり、桜丘の再開発が完成すると、まちが生まれ変わっていきます。ハード面だけでなく、みんなと一緒にこれからも花と緑を軸としたまちづくりを進めていきたいと考えています。

　NPO法人渋谷さくら育樹の会はシブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。