全て
シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回は、特定非営利活動法人こどもの城合唱団を取材するため、渋谷区施設リフレッシュ氷川の練習会場を訪ねました。
「こどもの城合唱団」は、歌うこと、踊ること、自分の身体を使って表現することの喜びを健常者、障がい者の区別なく分かち合うことを目的とした文化芸術事業を行っているNPO法人です。
8月のお盆明けの土曜日の午後、練習会場に着くと、小学校1年生のクラスが練習していました。練習終了後、休憩時間に代表から団体誕生の経緯や活動内容、エピソードなど興味深いお話をお聞きすることができました。
〇団体誕生の経緯について
「こどもの城合唱団」は国際児童年を記念して建てられた国立総合児童センター(こどもの城)の中で生まれた児童合唱団です。1995年4月に活動を開始し、今年で35年になります。2002年にNPO法人の認証を受けました。
この合唱団は、ただ技術の向上だけでなく、こどもたちの心を育てることを目的としてスタートしました。毎年、小学校1年生から4年生までを募集していて、35年間ずっと在籍している人もいます。最初のスタートは30人でしたが、今は小学校1年生から77歳まで幅広く3世代が一緒に歌っている大きな合唱団になりました。また、こどもの城時代に小児保健部と始めたハンディキャップのあるこどもたちへの音楽活動(リトミック)は今も引き継がれ、違うみんなが共に響きあいながら活動できる場としても成長を続けています。
〇活動内容について
現在、合唱講座・合唱団低学年・合唱団高学年・混声合唱団の4つのグループ約250名の団員で構成されています。世代や性別、障がいの有無を超えた多様なメンバー構成となっています。
「みつけよう、すてきなこと」をテーマに各グループで週1回さまざまなジャンルの歌やダンスなどのレッスンを行っています。現在は、コロナウイルスの影響で中止していたレッスンを6月中旬から再開し、しっかりと感染症対策を行ったうえで、4つのグループを半分の人数で7つに増やしてレッスンしています。
〇エピソード
コロナウイルスによるレッスンの休止中に、オンラインで、メンバーに作詞作曲の宿題を出しました。そうして新しい曲が30曲以上誕生し、コンサートで披露する日を待っています。
今練習中の1曲"コロナのせいだ"は小学校3年生の男の子が作った曲です。コロナで授業が受けられなくなった時の気持ちを素直に綴った詞となっています。
高校1年生が作った"特別なこと"という詞は♪みんながいることは とくべつなこと♪だったと感じたことをまっすぐに表現しています。
緊急事態宣言が発令されたのが春ですから、春をテーマにした歌、友だちをテーマにした歌などその人の置かれている環境や思っていることが、手に取るようにわかります。コロナ禍で大変なことも多くありましたが、新しい曲の誕生で、新たな気づきと発展も感じました。
また、コロナでお休みの間、4回のオンライン配信をし、家でレッスンができるようにしたり、また、いつも歌っているオリジナル曲がどんな背景を持って誕生したかを知る機会を作ったりと工夫もしました。ビデオは、団員にプロのカメラマンがいて撮影、編集をしてもらっていますので、クオリティーの高い配信だと、保護者からも喜ばれています。
最後に代表から「今年の新団員の1年生はやっと6月から練習が始まったばかりですが、歌ったり踊ったりと身体いっぱい『音楽大好き!』を表現して、毎回キラキラ輝いて私たちに幸せをくれます。年齢によって表現の仕方は変わってきますが、ただ歌の上手な子に育てるのではなく、その時、それぞれ年齢なりの感性で、感じることを表現できる子に育ってほしいといつも願っています。障害や地域、年齢、職業の違いを力に、音楽を通して様々な出会いを提供し、みんながつながっていける活動をこれからも展開していきますので、皆様、ぜひ応援してください。」とPRしていただきました。
取材終了後、小学2年生から4年生までのグループのレッスンを見学させていただきました。参加者は22名、キーボードとベースの生楽器の演奏が流れる中、代表の指導のもと、こどもたちが身体で表現しながら合唱していました。曲の最中に代表がひとりひとりに声がけをし、こどもたちが「今感じたこと、今思ったこと」をメンバーに伝え、キャッチボールを行っている姿が印象的でした。メンバーが作った曲も合唱し、合唱中の真剣な表情と曲が終わった後にこどもたちが浮かべる笑顔が垣間見られました。
最後に、8月生まれのこどもたちをみんなが合唱でお祝いしました。誕生日のお祝い曲の合唱は毎月行っているそうです。
特定非営利活動法人こどもの城合唱団は、シブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。
「何かを始めたいとは思っているけど、何をすればいいかわからない・・・。」、「共通の趣味を持っている仲間を探したい。」、「地域の活動に参加したい。」などのお問い合わせに対し、専用の相談窓口を開設して、皆様の生きがいづくりをサポートします。
他にも、各種講座・イベントの開催などを行います。皆様の「やりたいこと」が見つかる場所です。