認定特定非営利活動法人よりどりみどりを取材しました

　シブカツではNPO団体との連携を目的として、直接団体を訪問し情報交換を行っています。今回は千駄ヶ谷に工房のある認定特定非営利活動法人よりどりみどりを取材しました。

　認定特定非営利活動法人よりどりみどりは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業を行い、障がい者が地域社会で安心して生活するための支援と能力を開発し、働く機会を拡充することにより当事者の望む自立生活に寄与し、ノーマライゼーション社会の実現を目的とするNPO法人です。

　事務局からNPOを立ち上げた経緯や活動内容など興味深いお話をお聞きすることができました。

〇NPOを立ち上げた経緯について
　1998年に家族や町内の有志が集まり、精神科を受診している人たちの働く場所を確保するため、「みどり工房」の前身グループが代々木に誕生しました。その後、2003年にみどり工房運営委員会を運営主体とする「東京都精神障害者共同作業所みどり工房」が誕生し、2010年４月に東京都より特定非営利活動法人よりどりみどりの設立認証を受けました。2017年１月には認定特定非営利活動法人（※）となりました。

〇活動内容について
　本法人の活動の場であるみどり工房は、精神科を受診している人たちが社会復帰に向けて、自分のペースで仕事をする就労継続支援B型事業所です。「一人ひとりの個性を活かして力を発揮できる支援を目指す。メンバーそれぞれが役立つことをして、人の満足度を得られる場所を提供する。」ことを理念とし、「人の中で生きていく力を育もう。」を目標としています。
　将来希望する仕事を選ぶため、当事業所でいろいろな作業を体験し練習ができるように「よりどりみどり」という名称をつけました。１日の流れは朝10時にこの事業所に来て各部署へ移動し、長い人は午後４時までの作業をこなしています。
　作業は革製品、七宝焼き、キャンドル等工芸品の製作・販売や公園などの受託清掃、封入やコーヒーの袋詰めなどの受託作業、またカフェ部門への従事やお弁当、お菓子の製造・配達などがあります。
　精神保健福祉に関する啓発活動の場として、地域住民や一般の方々も参加できるプログラムやイベントも企画・提供しています。工房のメンバーの社会体験を増やすことを目的とした、健康づくり（心と健康のバランスを整えるプログラム）やお仕事探検（自主製品の開発や就労準備のための講座）は、地域の皆さまもご一緒に楽しめます。ご家族やボランティア、支援者対象の精神保健福祉講座を開催するときもあります。

　〇みどり食堂
　2013年８月に障がい者の活動するコミュニティカフェ部門が誕生しました。メインにお肉かお魚を選べて、野菜をたくさん使ったランチを提供しています。店舗で地域の皆さまとふれあいながら、食品製造や接客の仕事を練習できるようになりました。メンバーが地域の方と積極的にコミュニケーションをとれるようになり、ゆっくりとでも成長し変わっていく姿を見ることができてうれしいです。
　2020年10月には隣の店をお借りして、店内を一体で利用できるように改装し、「みどり食堂」としてリニューアルオープンしました。ご利用いただけるお客様の健康に配慮し、雑穀米や国産小麦、きび砂糖を使用し、水にもこだわっており"からだにやさしい＆おいしい"を目指しています。お弁当にしてのテイクアウトも行っており、渋谷区食事券が使えるため地域の方の利用も増えました。
　
　なお、毎月第３金曜日17時から"どなたでも食堂～お夕ご飯の日"を町会事務所で開催しています。今はコロナ禍で旅行に行けないので、世界各国の食事を通じて地域めぐりをしようとテーマを決めて、ベトナム料理や韓国料理、インドネシア料理などを提供してきました。
　お夕ご飯の日はもちろん、みどり工房と食堂ではボランティアを随時募集しています。障がいが有っても無くても、みんなで地域で生活していくためには、いろいろな考え方の垣根の違いを受け入れて、お互いに共生できたらいいなと思っています。一緒に時間を共有してくださる方にお越しいただけるとありがたいです。
　詳細は、こちらのチラシをご覧ください。

※全国にある認証NPO法人は50,820件で、その内の認定NPO法人は831件／東京都内は296件となっています。（令和３年４月30日現在　内閣府ホームページより）「認定」を受けたNPO法人は、全体のわずか約２％です。
　認定特定非営利活動法人へ寄付する場合は、税制の優遇措置として税額控除等が認められており、これらはNPO団体の活動を支援する制度となっています。

　認定特定非営利活動法人よりどりみどりはシブカツサイト内の「コミュニティを探す」においても紹介しています。