フォトグラファーボクダ茂さんにお話をお聞きしました

　シブカツでは地域活動などをホームページで紹介しています。2021年11月19日・20日・21日に開催された写真展"Toｍigaya ２chome Style"を企画されたボクダさんを取材し、写真展のことや町会活動、富ヶ谷二丁目のシニアの方々など興味深いお話をお聞きすることができましたのでご紹介します。

　写真展はとても盛況で３日間で約300人の方に来ていただきました。町会の方が地域の方を誘っていただけたことが大きかったです。この地域にある東海大学の教授とも地域密着の夏祭りイベントを行っていまして、学生の方も20名ぐらい来てくださり感動して帰られました。地域の結びつきを勉強されている学生もいて参考になったようです。
　写真展を開催するそもそものきっかけをお話しすると、私は12年前から富ヶ谷二丁目に住んでいます。町会の方々が公園の掃除や防災倉庫の点検を行っている姿、年末の火の用心のパトロール、人のために日々活動されている姿に感動を覚え、私もやらせてくださいと町会にお話ししました。町会に加入すると、いきなり町会の会員としてではなく理事をやってくださいという話になりました。最年少の理事でした。
　もう一つの理由は、自分の成長を振り返られる場所とその場所で関わった方々の優しさに触れた体験が合いまったところが人として大切なものがあるような気がしていました。子どもは学校、保育園通いで横のつながりはありますが、地域との交流が希薄なので、年代を問わず関わっていく中で、子どもたちにとって富ヶ谷二丁目がふるさとになってくれるためにも自分から地域に入っていったような気がします。
　そして、私のお父さんお母さん世代の年配の方から激励を受けながら町会活動を続けていて、帰宅時は元気になっている自分がいました。それは町会の方々の「地域を良くしたい」という優しい想いに触れたからだと思います。私の子どもにも自分の孫のように接してくれて、町会の方々の優しい想いは子どもたちにも伝わっていると思いました。
　元気になった自分を感じた時に、これはもう皆さんを富ヶ谷二丁目のパワーという形で、二丁目の人たちとして定着させたい、写真に収めたい思いが湧いてきました。フォトグラファーをやっていましたので写真で表現すると、二丁目の地域感と、シニアのパワー感と、コロナ禍で希薄になった交流を活発にする、そういった感覚を写真を通して実現できるのではないかと考え、やってみようということになりました。
　今年の5月から撮影を始めました。10月下旬で17人撮り終えたところで、写真を一度地域の皆さんに見ていただこうと町会主催で写真展を開催することにしました。富ヶ谷二丁目に住むフォトグラファーが、富ヶ谷二丁目の方々を、富ヶ谷二丁目内で撮影し、富ヶ谷二丁目内の町会会館で開催する写真展となりました。
　写真撮影は一日一人ずつで30分から1時間位で行いました。1回の撮影で500枚ぐらい撮ります。撮影の時の服装も自分で選んでもらい、女性の方は何を着ようかしらとみなさんで楽しそうに会話をしていて、まるで女子会のようでした。出来上がった写真はみなさんとても笑顔があふれ、いきいきとしています。本当にみなさんすごいパワーを持っています。写真を撮っていると身体からその人の色が出てくる感じがあります。その方が長年積み重ねてきた色なのだろうと思います。
　私は、もともと地域との関わりの中で出てくるものを写真にとどめたいということを欲していたのかもしれません。ここに住み切ってやろうという覚悟が出てきまして、それも関係あるのかもしれません。富ヶ谷二丁目で妻と子どもと一緒にふるさとを作りたいという気持ちなのかもしれません。"足下に泉あり"ではないですが、今いるところでどういう価値を見出せるかが大事な気がします。ふるさととは周りの方と一緒に幸福を追い求めることを今いるところでやってみることから始まるのだと思います。
　そして今回の写真展で自身の成長を振り返られる場所とその場所で関わった方々の優しさに触れた体験が合いまったところが"ふるさと"なのだと思いました。
　二丁目の方々の優しさに触れながら富ヶ谷二丁目のパワーあふれるふるさと発信をこれからも続けていく決意です。
　今後も撮影を續けて、25人から30人の写真を撮り終えて、来年の夏を目指して写真集を作ることが今の目標です。

木田（ボクダ）茂さんのプロフィール紹介
1974年滋賀県生まれ
大阪芸術大学写真学科卒業
フォトグラファー山口和平氏に師事
以後ファッション
ポートレート写真等で活躍